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【ぺんぺん草(shepherd's purse)】
ぺんぺん草とは,アブラナ科の越冬草であるなずなの別称である.春の七草のひとつでもあり,現在では,一部の地域を除き七草粥としてしか食されない.しかし,強欲や極悪といった特徴を持つ,ある種の人間や生物によって異常なまでに好んで摂食されることが知られており,「やつらが通った後にはぺんぺん草いっぽん残らない」という表現に,そのさまが表されている(注).現在,日本の都市部においてぺんぺん草を見ることはまれになりつつある.それについて,著名な社会植物学者の植草原抜太氏は「都市部において強欲・極悪といった特徴を持つ人間が増加しているため」と原因を断定し,その対策として「ぺんぺん草を日本のある一地域にのみ限定で育てるようにすれば,それらの人間は自然とそこに移動するのではないか」と画期的な提案をしている.
(注)強欲や極悪といった特徴を持つ,ある種の人間や生物がぺんぺん草を摂食している現場を目撃された例は少ない.もっとも有名な目撃例としては,1987年に群馬県の山間部でぺんぺん草が大量に発生したときに,近隣の広域暴力団の組長が,夜な夜な酒瓶を腰に下げて,ぺんぺん草を四足で咀嚼している様子が付近の住民の手によって写真に収められている.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/10/09 - 10:13 | コメント (0) | トラックバック
【正体不明(shoutai fumei)】
酒を飲みすぎて正常な状態でなくなったときに,その状態を指して「正体を失った」というように,正体とは「正常な状態」のことを言う.即ち,正体不明とは,その人が正常な状態かどうか,他の人からは判断できないことを意味する.言動は一見すると正常なように見えて,仮面をつけたり,派手な服を着たり,逆にきわどい格好をすることで正常でない可能性を示す傾向が正体不明の人物には多くの場合に共通してある.一般的に,物語等では,このような正体不明の登場人物はストーリーの鍵を握る非常に重要な人物であるが,これは,正常に見えつつも,時として常軌を逸した行動をとるという特徴のある正体不明の人物が,話の流れを大きく変化させるのに都合が良いため,伝統的にそのような話の組み立て方の定石が確立されてきたからに他ならない.物語の中だけでなく,日常生活においても,酒を程よく飲んで,正体を失う一歩手前の正体不明の状態になった者(注)は,微妙な発言や行動で周囲を混乱に落としいれ,人間関係の構造を変えるという特性を持つが,これも,伝統的にそのような処世術が確立されてきたからに他ならないのである.
(注)では,物語の正体不明な登場人物が程よく酒に酔った結果として正体不明なのかというと,そんなことはない.彼らは,多くの場合に,自分に酔って正体不明なだけである.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/06/28 - 07:30 | コメント (2) | トラックバック
【不治の病(fudi no yamai)】
不治の病とは,数理医学における有名な媒介定数のひとつであり,典型的に下記の証明において用いられる.
馬鹿は死んでも治らない.即ち,馬鹿は不治の病であるから,
馬鹿=不治の病 … (2)式
(1)式,(2)式より
恋=馬鹿=不治の病
故に,恋とは馬鹿のことであり,かつ不治の病である.
(注)3年前のネーチャーンには酒を飲みすぎると全てのひとが馬鹿になることから,大酒は不治の病ではないかと主張する記事が掲載された.更に,酒は百薬の長であるから,百薬の長は不治の病であるという,一見すると矛盾する命題が成立することも発表され,医学界に波紋を投げかけた.現在のところは,大酒で馬鹿にならない人間もいるはずであり,大酒は不治の病ではないという学説を指示する一派が主流を占めており,その事実を証明するためにその一派の研究医たちが日夜,酒盛りを繰り広げている.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/05/25 - 20:42 | コメント (0) | トラックバック
【赤裸々(sekirara)】
「赤裸々に語る」というのは「率直に語る」という意味であるが,「赤裸々」とはもともとは「赤裸羅」と書いた.赤裸羅とは仏教における悪魔の一種で,外見は日本の昔話に出てくる鬼に近い.人の話を聞き,それを包み隠さず他者に伝えることで,平穏な人間関係を破壊すると伝えられている(注).そこで,昔の人は赤裸羅に対して隠すところのない自分の意見を語ることで,その意見が他者に伝わることを期待したのである.転じて,率直に語ることを「赤裸羅に語る」というようになった.その後,日本の鬼のイメージから「羅」の字に「裸」の字が当てられるようになったといわれている.また,「赤裸羅」はその「赤裸」の訓読みから「あから」とも呼ばれ,日本の各地で「赤裸羅に語る」という意味で「あから様に語る」という言葉も同じ「率直に語る」という意味で使われている.
(注)平成12年9月に,インターネット上で個人情報を大量に公開したとして,赤裸羅に130万円の賠償金支払いの判決が下されたことは記憶に新しいであろう.噂によると,それ以降,赤裸羅は人の話を他人に話さなくなったらしい.案外,根性なしである.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/03/06 - 07:55 | コメント (0) | トラックバック
【センチメンタル・ジャーニー(centi-mental journey)】
センチメートルが1メートルの100分の1を示すように,センチメンタルとは精神(メンタル)の100分の1であることを示す形容詞である.一般的に,精神は108の煩悩から成り立っていることが知られており,従って,センチメンタルは,1.08煩悩に匹敵する.ジャーニーとは旅のことであるので,この1.08の煩悩を満たす旅がセンチメンタル・ジャーニーということになる(注).センチメンタル・ジャーニーによりどのような煩悩が満たされるかは個人差や状況により異なるが,一般的には失恋の代替として,物欲,食欲,性欲,自己陶酔欲等が満たされることが多い.しかし,最近では,日光欲や岩盤欲,水平尾欲といった新しい煩悩を満たすために旅に出る人も増えている.
(注)何故,煩悩1つではなく1.08が満たされるのかということに疑問を持つ読者も多いだろう.一般的に,旅にでると人は,ちょっぴり羽目を外すことが知られている.このちょっぴり羽目を外したことで,煩悩がぴったり満たされるのではなく,余計に満たされ過ぎるのである.その余計な分が0.08煩悩であり,これにより多くの人が,旅行から帰ってきてから請求書を見たり,体重計に乗ったり,なんだかんだしたりして,後悔するのである.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/02/20 - 23:59 | コメント (0) | トラックバック
【ストップウォッチ(stop-watch)】
今は時間計測を行なう時計のことをストップウォッチと言うが,もともとは立ち止って観察することを意味する英単語であった.英語圏の某国では親しい人と偶然に出会ったときに,その感動を示すために相手の顔を立ち止ってまじまじと見つめる風習があった.これが本来のストップウォッチである.しかし,近世に入り,相手の顔を長時間凝視するのはむしろ失礼だという風潮が広まり,「ストップウォッチは3秒まで」という新しいマナーが誕生した(注).これが守られているかどうかを厳密に測定するために,1914年に100分の1秒まで時間を測定できる小型時計が開発され,これをストップウォッチ測定器(stopwatch measure),略してストップウォッチと呼んだ.余談ではあるが,それまでの大型の時計に対してこのような小型の時計はこのときよりclockではなくwatchと呼ぶようになったことも,これがきっかけである.
(注)俗に言う3秒ルールである.また,落とした食べ物は3秒以内であれば清潔さが失われず食して良いという風習も3秒ルールと言う.つまり,彼の国では人の顔など落とした食べ物程度の意味合いしかないのだろう.
投稿者: 黒澤 司 : 2006/01/17 - 19:48 | コメント (0) | トラックバック
【ナルド(nald)】
北海道と沖縄におけるマクドナルドの呼称.マクドナルドは関東では「マック」,関西では「マクド」と呼ばれ,それ以外の地域では残りの「ナルド」が呼び名として用いられる.最近では省略が進み,特に北方に行くに従って「ルド」,「ド」と呼ばれる割合が多くなり,日本最北端である稚内市宗谷岬では「゛」が呼称として定着しつつある(注).この現象は,情報の高圧縮化の自然発生的現象として,情報処理関連学術領域を賑わしており,今後のメカニズム解明に注目が集まっている.
(注)南方においては,このような過度な省略は確認されていない.が,当然のことながら,方向が逆だと省略の方向も逆になると推測される.即ち,南方に下るに従い,「ナル」,「ナ」,「」,「ド」,「クド」,「マクド」となる.おそらくパプアニューギニアあたりは「マクド」を用いており,かつ,日本の関西と同じような場所なのだろう.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/12/10 - 00:02 | コメント (0) | トラックバック
【クリスマス・ソング(Christmas Songs)】
クリスマス・ソングとは,その名のとおり,クリスマスシーズンになると決まって歌われる曲のことである.広義には,歌詞付きのものだけでなく,楽器演奏のみの曲も含まれる.「ジングルベル,ジングルベル,鈴がない」と高らかに鈴も買えない師走の貧乏を歌い上げる「ジングルベル」を代表に,「サンタが街を殺ってきた」「暴れん坊のサンタクロース」のようなサンタクロースの暴力性をテーマとしたもの,「真っ赤なお鼻のお向かいさんは」とお向かいさんのアル中っぷりを賞賛する「赤鼻のお向かい」など多様なクリスマス・ソングが存在する(注).また,このような古典に限らず,納豆屋由美の「濃い人はサンタクロース」,山舌断朗の「クリスマス・イヌ」のような歌謡曲の中にもクリスマスを歌ったものは多く,これらもクリスマス・ソングと呼ばれている.
(注)古典のクリスマス・ソングの中で異色なのが「木よ!四股の夜」である.なぜ,クリスマスに四股を踏まなければならないのか,理解に苦しむが,そのような風習がかつて日本にはあったのだろう.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/12/06 - 08:03 | コメント (0) | トラックバック
【ロイヤル・ミルク・ティー(royal milk tea)】
ロイヤルミルクティーは「王族乳の紅茶」という意味であり,王族,特に王から搾乳した乳を沸騰寸前まで温め(注),そこに紅茶の葉を入れて飲むイギリスの飲み物である.8世紀中ごろから19世紀初頭まで,イギリスでは搾乳用の王をロイヤルミルクティーのために飼っていたが,今では人道的問題からそのようなことは行われていない.王族乳をめぐる歴史的事件として,17世紀中ごろにイギリスで起こったピューリタン革命が王族乳を独占した当時の王チャールズ1世に対する議会の不満が爆発して起こったということは有名である.このときの革命の指導者クロムウェルの「乳を出さぬ王などいらぬ」はイギリスの歴史における最大の名言であり,訓戒としてイギリス王室に伝えられているというが,その真偽は定かではない.現在,市販されているロイヤルミルクティーには王から搾乳した王族乳ではなく,化学的に合成された合成王族乳が使われている.通人に言わせると天然物のほうがコクがあるそうだ.
(注)王族乳の沸点は摂氏706度であり,沸騰したお湯で作る紅茶より約7倍は温まる飲み物である.そのため,嗜好品としてだけではなく,薬としての価値もあり,非常に高価な飲み物であった.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/11/10 - 07:50 | コメント (0) | トラックバック
【クシャミ(kusyami)】
クシャミは人間に備わった呪術機構の1つであり,その主な役割は現在進行中の事象の検出と,召喚である.事象検出に関しては,今はもう名前も失われてしまった古の大魔道師が「クシャミ1回は良い噂.2回は悪い噂で,3回は風邪薬」と言う呪言を残している(注).このように,1〜2回の回数のクシャミにより,その噂の発信源の距離とは無関係に噂の存在とその方向性を検出することができる.3回のクシャミは,近くに風邪薬があることを検出するといわれており,風邪が流行するシーズンになると人々が一斉にクシャミを始めるのは,風邪になった人が持ち歩く風邪薬にクシャミが反応してしまうことが原因である.クシャミのもうひとつの機能である召喚については,一見すると趣味の悪い特製のつぼを呪術の触媒として用い,クシャミによる呪文により大魔王を呼び出す高等魔術の1つであるが,現在は記録映像の中でしかその存在を確認されていない失われた魔術となってしまっている.
(注)事象検出のためのクシャミを誘発するために,術を施行する空間を微粒子で満たしておくという技法が現在にも伝えられていることは有名である.昨年2月には,部屋の掃除をしないひとの8割はこの効果を狙っているという調査結果が魔術管理省調査開発局より発表された.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/11/06 - 10:59 | コメント (0) | トラックバック
【爬乳類(hanyurui)】
爬乳類(はにゅうるい)とは,哺乳類ほど体温調節が上手くなく,爬虫類ほどには外気温の変化には弱くない動物の総称であり,現在のところ,札幌市内にて1匹の存在が確認されているだけの人型珍生物である(注).その体温調節機能の中途半端さからか,冬季間においては,油断すると寒さから冬眠に入りかねず,夏季間においては暑さで熱ダレを起こしてぐったりしているところが目撃されている.現在確認されているこの1匹が異常なまでに甘いものをこよなく愛し,日本茶を鯨飲することから,おそらく,爬乳類の体温調節のメカニズムには糖分とカテキンが深く関与していることが推測されているが,その詳細は不明である.今のところ,確認されている爬乳類は,この個体だけであるが,Smith(2002)は解剖学的に爬乳類が人と同一の細胞および組織構造を持つことを指摘した上で,人が変化して爬乳類になる可能性を主張し,学会に議論を巻き起こした.このような人から爬乳類への変化が起こりうるものなのかどうかの結論はまだ出ていないが,これが事実なら,既にかなりの割合で我々の生活に爬乳類が入り込んでいることすらありえる.今のところは爬乳類が人に対して敵対的な行動はとっていないことが救いと言えば救いであるが,油断はできない.
(注)我々は,その姿をカメラに収めることに成功した…はずなのであるが,謎の怪電波により画像が乱されてしまった.爬乳類とは恐るべき生物である.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/10/21 - 01:06 | コメント (1) | トラックバック
【メトロ・ノーム(metro-gnome)】
メトロノームとは,その名のとおり地下鉄(メトロ)の小人(ノーム)の意である.知ってのとおり,ノームに分類される小人たちは,たっぷり酒を飲ませ,磔にかけて磔ごと左右にゆっくりと振ると,その揺れの折り返しにおいて,声を上げることが知られている.古来から音楽家たちはこの性質を利用して,ノームを磔にかけて振り続け,その声でリズムをとってきた.しかし,ノームの生息地によって百数十ミリ秒から一秒弱の範囲で声を上げるタイミングがずれるという問題があり,そのずれを少しでも少なくするべく,著名な音楽家たちはタイミング良く声を上げるノームを探し続けた.その探索に終止符を打ったのが,イギリスのヒュッテンマイヤー伯爵である.彼は,偶然,ボストンの地下鉄線路上で新種のノームを発見し,それをメトロノームと名づけた.当然,メトロノームの発見は当時の音楽家たちをいきり立たせた.早速,捕獲されたノームを磔にかけ,たっぷりと酒を飲ませ,左右に振ったところ,そのタイミングのずれは数ミリ秒にとどまり(注),その正確さは他の種類のノームたちと比較して群を抜いていた.それ以来,音楽家たちはリズムを取るためにメトロノームを利用するようになったのである.読者の皆さんも,小学校の音楽の時間で,磔にかけられ左右に振られる赤い顔をした小人の横で,ピアニカやリコーダーを吹いたり,歌を歌ったりした記憶があることだろう.あの小人こそがメトロノームであり,現代の音楽を支えるため,重要な役割を担わされている存在なのである.
(注) タイミングのずれを最小にするため,メトロノームに飲ませる酒はテキーラが良いとされている.たしかに,テキーラを飲ませた場合には,せいぜい2〜3ミリ秒しかずれない.ただし,揺れの折り返しにおいて上がる声が「アミーゴ!!」になるため,これを嫌う音楽家が多いのも事実である.イギリス生まれのメトロノームがメキシコの酒との相性が良いとは,不思議な話だ.
投稿者: 黒澤 司 : 2005/10/16 - 23:36 | コメント (0) | トラックバック