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此岸ヲ夢想シ彼岸ヲ憂ヒ
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2006/04/20

かしこみかしこみ

:: Considerations ::

前略.

最近,「かしこまる」という言葉を頻繁に聞くようになりました.
不思議な響きを持つ言葉ですね.

この言葉の由来は次のようなものだそうです.

 昔,お殿様がお忍びで城下町を歩いていると,ふと,空腹を覚えました.
 とりあえず我慢して,数間,そのまま歩きましたが,
 どうにも我慢できなかったのです.
 そこで殿様はある店に入り,自らの身分を明かして,
 こう店主に告げました.


   「何か甘い菓子でも貰おう.褒美ははずむぞ.」

 それを聞いた店主は,殿様に差し上げるような高級な菓子などないと,
 恐れながらも,殿様に申し上げたのです.

  「菓子…困るっ!」

 うっかりタメ口です.店主は罰を覚悟しました.
 しかし,幸いなことに,この殿様は言葉をろくに知らぬ馬鹿でした.
 もちろん,この言葉の意味もわかりません.
 「かし…こまるっ!」という言葉を知らぬとは一国の主の恥.
 そう考えた殿様は,良く分からないながらも,とりあえず,
 恐れ入っている店主に穏やかに話しかけました.

  「そんなに,かし…こまらなくても良い.」

 こうして,殿様の馬鹿を隠すために,「菓子困る」が
 恐れ入る様子を表す言葉になったのです.

もちろん,嘘です.本当の由来は,こんな話です.

 昔,あるところに夫婦がおりました.
 ごく普通の2人はごく普通に恋をして,ごく普通に結婚しました.
 でも唯一つ違っていたのは,旦那様は恐妻家だったのです.
 そう,奥様の名前はカシ子.そして旦那様の名前は丸.

  「ご…ごめん.カシ子っ.」
  「丸っ!!!(怒)」

 近所の人たちは,この旦那様の恐れっぷりを
 「カシ子−丸」状態と名づけたのです.
 これが「かしこまる」として,日本語に組み込まれるのに,
 そう長い時間はかかりませんでした….

もちろん,嘘です.

なんだかこんなに嘘を書いて,恐れ多い気持ちでいっぱいです.
このくらいで,筆をおきたいと思います.
それでは,お元気で.またお手紙致します.

かしこ。 ← これが本当の「かしこまる」の語源.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/04/20 - 20:45

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